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ただ今、名前を読み上げた233名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。どうぞ着席してください。
例年になく厳しかった冬もようやく終わりを告げ、校庭に差し込むやわらかな日差しに、春の訪れを感じるこのよき日に、大阪府議会議員・道端俊彦様、河内長野市教育長・小川祥様、そして中学校の恩師の先生方はじめ、たくさんのご来賓の皆さまをお迎えし、卒業証書授与式を挙行できますことは大きな喜びです。保護者の皆さまには、卒業という大切な節目の日を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。
期待と不安を抱きながら暁光の坂を登り始めた日から3年。いよいよ高校生活の最後の時を迎えました。
皆さんの左手には、三年の先生方が座っています。今、その席で、卒業証書を、あなたに手渡せる日を迎えられたことを、涙がこみ上げるような思いで見守っている先生方がたくさんいます。それは、ここにたどり着くまでの道のりが、平坦ではなかったことを誰よりもわかっているからです。
– 抱えきれない傷を背負い、心が擦り切れた状態で入学してきた人 – 怯えながら過ごした日々の記憶が癒えず、学校という場所がどうしても不安だった人 – 常に“地雷”を踏まないようにと気を張り、感情を押し殺しながら自分を守ってきた人 – 家庭を支えるために、毎日、弟と自分の弁当を作ってきた人、週5日以上のアルバイトをしながら学び続けた人 – 人間関係に悩み、転学用紙を取り寄せるところまで思い詰めながら踏みとどまった人
苦労や困難を乗り越えて、今日という日を迎えました。第二部の構成詩に込められた一人ひとりの成長は、私たちにとって希望の灯りです。
これから皆さんは、進学や就職といった自立への道を歩んでいきます。私はこの7年間、「人間教育」を建学の精神とする学園を預かる一人として、「平和と命を尊ぶ心」と「学び合い支え合うことの大切さ」を伝えてきました。しかし、世界では、まるで100年前に戻ったかのように“力による政治”が横行し、命がないがしろにされています。SNSには自己責任論があふれ、苦しむ人への不寛容さが強まっています。
このような時代だからこそ、皆さんには、人の痛みや苦しみを理解し、共に生きる力を持った人として歩んでいってほしいと願います。 連日、メダリストたちのストーリーが輝かしく報じられています。しかし、強い意志だけで前に進める人は、決して多くありません。苦しい時には一人で抱え込まなくていい。助けを求めていい。助けを求めることは、弱さではない——そのことをお伝えしたいです。
いよいよお別れの時が来ました。入学式でお話しした「暁光」という名前の由来を覚えてくれているでしょうか。暁光の「暁」は「あかつき」と読み、まだ暗闇につつまれた夜明け前のことです。子どもたちが生きづらい時代にあって、一人ひとりに希望の光を灯せる学校でありたい――そんな思いで向き合ってきました。皆さんに、どれほど光を届けられたのかと思うと胸が痛みますが、私たちは三年間、「外の環境がどんなに厳しくても、学校の中には居場所をつくりたい」という思いで歩んできました。
「何とか進級させたい」「さらに成長してほしい」という願いを込めて、時には厳しい要求もしてきました。しかし皆さんは、とっても手ごわくて、思いが届かず、職員室で沈む先生方の姿を幾度も目にしてきました。だからこそ、233通りの成長は私たちにとってかけがえのない“宝物”なのです。
何か困ったことがあれば、いつでも大阪暁光高校を訪ねてきてください。心が折れそうになったときや、ここで過ごした日々が懐かしくなったときには、遠慮なく訪ねて来てください。そして、いつものように職員室の入口から「先生…」と呼んでください。この学校は、いつまでもあなたの母校です。みなさんの輝く未来に幸多からんことを祈ります。
保護者の皆様には、立派に成長し学窓を巣立っていくお子様の姿に、喜びもひとしおのことと拝察いたします。格差が拡大し、物価高が暮らしを直撃する中、お子さまを支えてこられたご苦労はいかばかりであったかと存じます。ご家庭での支えがなければ、今日の日を迎えることはできませんでした。この3年間、至らぬ点も多々あったかと存じますが、本校の教育活動を温かく支えてくださり、心より御礼申し上げます。
ご来賓の皆様におかれましては、ご多用の中ご臨席賜り、誠にありがとうございます。卒業生たちは、まだまだ成長の途上にあります。今後とも変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げまして、私の式辞とさせていただきます。
みなさんと過ごした3年間は、私たちにとってかけがえのない、本当にかけがえのない時間でした。
11期生のみなさん、ありがとう。そして、お元気で!
2026年2月20日 大阪暁光高等学校 校長 谷山 全